2014/11/21『エロゲーというジャンルは洋ゲーにも成り立つのか』
「Steam初のエロゲーは日本ではなくロシアになりました」、ロシア製18禁ヴィジュアルノベル『Everlasting Summer』が登場! | だもんげ! - ゲームのニュース
Twitterにこんなニュースが流れて来たので、長文のリハビリがてらツラツラ雑感を書いてみようと思います。
まず思ったのは笑ってられないよなぁ、と。
昨今、日本が不景気な反動なのか、やたらと日本独自のコンテンツを持て囃す流れがありますが、今回のコレも「日本スゲー、ロシアが日本の真似してるー、けどまだまだ日本の方がレベル高いなぁ」とか言ってたりすると、本当にヤバイんじゃないかなと思います。
エロゲーというジャンルが海外で成り立つ可能性を考えると恐くて仕方がない。
ロシアとか「ナイト・ウォッチ」とかを生み出した国ですよ。そんな国がエロありのヴィジュアルノベルでどんなものを生み出していくのか、楽しみでもありますが、同時に恐いじゃないですか。
だって日本のエロゲー市場ほとんど死んでるんだもの。
今期アニメは久し振りにエロゲ原作のものが四本(Fate、グリザイアの果実、大図書館の羊飼い、失われた未来を求めて)もありますが、ビックリするほど話題に上がっていない。もちろんFateは大きな話題になっているけれど、それにしても何年前の作品だよ、と。そもそもFateはエロゲーって枠で括れない化物コンテンツだし……。
Fate以外の作品もエロゲクラスタや、原画家ファンの間では話に登っていますが、外に波及していかない上に、内輪の話ですらもうホントにサラッと流されていますよね。天気の話題ですかと。(睡眠の重要性というワードが一部で流行ったのをあとから知りましたが、ホント一部っぽいのが悲しい)
エロゲー界隈が覇権を取らなければならない、なんてことは思わないというか、別に花形でなくてもいいとは思うのです。ですが、エロゲー業界が今の娯楽業界の養分であって欲しいとは思うのですよね。
ゴチャゴチャしていてよく分からないけど、得体の知れない魅力に溢れているみたいなものであって欲しい。
けれど、もうそれはムリなのかなぁ。
それなりに文章書ける人はラノベ作家を目指す(最近だと“小説家になろう”からの拾い上げもあるからそっちにも流れる)だろうし、それなりに絵が描ける人はpixivなりTwitterなりでアピールしやすくなっているし、それなりに音楽出来る人はニコ動に投稿できるだろうしで、組んでやった方が強いって感じが皆無なんですよね。
エロゲーが華やかなりしころなら、そっちのほうが宣伝効果あるってなるんでしょうが……今は、ねぇ?(今だと絵描き、音楽家、動画職人が組むメリットは強かったりするのだろうか)
そもそもエロゲーがバブり、養分になった結果が今なんでしょうねぇ。寂しいねぇ。
何が言いたいのかというと、エロゲを養分にした(と、とりあえず言わせてください)日本のコンテンツをさらに養分にした洋エロゲーがたくさん出るのはかなり恐いことなんじゃないかなぁということですよ。向こうの人たちって日本のエロゲーやるために日本語覚えてるらしいから、信じられない速度でローカライズが進んだりしちゃう可能性もあるし。
日本の文化を取り込み、自国の文化を加えた海外のエロゲーがポンポン出たら、それこそ今の和製RPGと海外RPGみたいな図式になるんじゃないかな。
グラフィックだけ進化して大切な何かを置き去りにしがちな和製RPGと、和製RPGに慣れた身としては痒いところに手が届かない感覚を覚えつつも確かに面白い海外RPG、みたいな感じになったりするのかなぁ、と。
あとは、国外に出る過程で駄作は淘汰されるから余計に海外が眩しく見える現象が起きたりね。
けれど残念なことに可能性として一番高いのは、エロゲーなんてものは海外でも隆盛せず、日本に逆輸入されることもなく、日本の市場も、海外の市場もひっそりと衰退していくということじゃないですかね。
エロは強い?
じゃあビニ本で必死に抜いていた時代はどこに行ったんだよ。
河原にエロ本探しに行く文化が今どれだけ残ってるんだよ。
大多数の性欲はXVIDEOが解決してくれちゃうよ。
そのうち、文字と絵と声の複合コンテンツで抜くのが特殊性癖になることだってあり得るでしょ。というか、もうなってるんじゃないの。
エロは強いけど、ガワは移ろいやすいよなぁ。悲しいなぁ。
だから願わくば。せめて、せめて海外だけでも、文字と絵と声で抜く性癖が普遍的なものになればいい。
※そもそも論として、海外に海外独自のエロゲー文化ってあったりするのかな。バンド・デシネとかアメコミみたいな感じの。よくわからん。